オオバタン(読み)おおばたん(英語表記)salmon-crested cockatoo

改訂新版 世界大百科事典 「オオバタン」の意味・わかりやすい解説

オオバタン (大巴旦)
red-crested cockatoo
Cacatua moluccensis

オウム目オウム科の鳥。別名トキサカオウム全長約50cm。全身白色の大型のオウム。冠羽は長く,先端が赤く,立てたり伏せたりできる。くちばしと脚は黒色森林に群れですみ,おもに果実や種子を食べるが,地上に降りて,地中から球根塊茎をくちばしで掘り出して食べることもある。また,ヤシ若木を強力なくちばしでかみ破り,髄質内部の水を吸ったりもする。繁殖期には,樹洞を巣穴とし,その底に直接2~4個の白い卵を産む。性質がおとなしく,人になれやすいため,飼鳥となり,人の言葉もかなりまねる。餌はカナリーシード,ミレット,カラスムギなどを与える。原産地はモルッカ諸島セラム島,ハルク島,サパルナ島である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオバタン」の意味・わかりやすい解説

オオバタン
おおばたん / 大巴旦
salmon-crested cockatoo
[学] Cacatua moluccensis

鳥綱オウム目オウム科の鳥。インドネシア、南モルッカ諸島、とくにセラム島に多い。白色オウムに属する大形種で翼長約30センチメートルにも達する。全身にサーモンピンク(トキ色)を帯び、円い羽冠赤みが濃くトキサカオウムの別名がある。飼い鳥として、じょうぶで長寿なだけでなく人語もまねる。大声を発し、嘴(くちばし)は強力で、ヤシの若木をかじり水分を飲む。

黒田長久

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