エドモントン(英語表記)Edmonton

デジタル大辞泉 「エドモントン」の意味・読み・例文・類語

エドモントン(Edmonton)

カナダ西部アルバータ州の都市。同州の州都。18世紀末にハドソン湾会社が開いた交易所に起源し、19世紀末に鉄道が通じ、農産物集散地として発展。20世紀半ばに油田が発見され、石油産業をはじめ、各種工業が盛んになった。アルバータ大学、アサバスカ大学が所在。人口、行政区112万(2008)。

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精選版 日本国語大辞典 「エドモントン」の意味・読み・例文・類語

エドモントン

(Edmonton) カナダ西部、アルバータ州の州都。世界有数の農業地帯をひかえる農畜産物の大集散地。アラスカ‐ハイウェーの起点で、鉄道、航空路四方へ伸びる交通の要地

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エドモントン」の意味・わかりやすい解説

エドモントン
Edmonton

カナダ,アルバータ州の州都。カナダ南西部の商業,交通の中心。1月の平均気温-15℃,7月の平均気温 17℃で年較差が大きい。年降水量 420mm。ロッキー山系の東 240km,北サスカチュワン川の幅広い低地にある。 1795年に 36km下流につくられたハドソン湾会社の交易所,フォート・エドモントンがインディアンに破壊され,1807年現在地に再建されたのが起源。毛皮は北サスカチュワン川経由で積出された。 91年カナディアンパシフィック鉄道がカルガリーから通じると農業開拓が始り,農産物の集散地として発展し,1905年アルバータ州の州都となった。ピース川流域を含む豊かな混合農業地域の卸売業,小売業の中心として急激に成長した。カナダ最大の食肉加工工場がある。 47年 36km南のレダックで世界最大級の油田,さらに 120km以内に多くの重要な油田が発見され,市はブームに沸いた。 41年に 10万足らずだった人口が,現在では6倍となり,カナダ西部第1の石油精製石油化学工業地域に発展した。このほか近くに天然ガスを利用するニッケル製錬工場もある。2つの大陸横断鉄道,ピース川流域への鉄道,アラスカハイウェー,マッケンジー水系を利用して北極海へ抜ける水路が集っている。航空路としては毎日の大陸横断便,アラスカ,アメリカ,カナダ極地便があり,アメリカ大陸北部への玄関口となっている。アルバータ大学本部 (1907) ,アサバスカ大学 (72) がある。人口 81万2201(2011)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エドモントン」の意味・わかりやすい解説

エドモントン
えどもんとん
Edmonton

カナダ、アルバータ州中部にある同州の州都。人口66万6104、大都市圏人口93万7845(2001)で、同州最大の都市。市南方28キロメートルに国際空港がある。農牧業、石炭業、とくにカナダの60%以上を産出する油田地帯の石油工業中心地で、近年の発達は目覚ましく、人口も急増している。1951年の大都市圏人口は約19万であったから、その増加率は著しい。市街はノース・サスカチェワン川の両岸を占め、カナダ北西部の鉄道、空路の要衝で、周辺農村地域への物資の集散地としても重要。石油精製工場や石油化学工場が集中し、75年大精油工場が完成するに及んで、アルバータ州の4分の3、カナダ西部の半分近くの精油能力を有している。しかし、製造業従事者の割合は少なく、カナダの大都市のなかでは平均以下である。60年代以降、州北部のタールサンドの発見で活気をよび、パイプラインが集結し、東部のトロントやモントリオール、西部のバンクーバーへ石油が送られている。

 エドモントンは1795年、ハドソン湾会社の毛皮取引所として、現在よりノース・サスカチェワン川の下流約32キロメートルの地点に建設された。1947年にエムピリアル石油会社が市の南方レダック地域で石油を発見し、以後急速に発展した。市街はイギリス風の雰囲気を残しており、とくに都市公園はよく整備され、ノース・サスカチェワン川両岸は緑地公園として市民の憩いの場とされている。アルバータ大学があり、北方圏研究の中心となっている。

[山下脩二]

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改訂新版 世界大百科事典 「エドモントン」の意味・わかりやすい解説

エドモントン
Edmonton

カナダ,アルバータ州中部の州都。大都市域人口101万6007(2005)。ハドソン湾会社の毛皮交易所が1795年に建設されたが,その後の発展は遅く,19世紀末のクロンダイク・ゴールドラッシュの際,物資補給基地として脚光を浴びた。1905年にアルバータ州の創設とともに州都となったが,飛躍的な発展を遂げたのは47年,市の南方約32kmの地に大油田が発見されて以来のことである。以来,カナダ石油産業の一大中心地として知られ,2本のパイプラインが西はアメリカ合衆国のカリフォルニア,東はモントリオールと結んでいる。主要産業は石油関連工業のほか,鉄鋼業,農機具製造など。アラスカ・ハイウェーが通り,国際空港もあり,カナダ北方への玄関口として知られ,北方開発の進展とともに市の繁栄も著しい。地名はイギリス,ロンドンのエドモントン川からとられた。アルバータ大学の所在地。
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百科事典マイペディア 「エドモントン」の意味・わかりやすい解説

エドモントン

カナダ,アルバータ州の州都。名はロンドンのエドモントン川に由来。1947年大油田が発見されて以来,カナダの石油産業の中心地として著しく発展。石油,天然ガスの精製工業のほか,鉄鋼業なども行われる。鉄道,アラスカ・ハイウェー,航空路の一中心。1795年ハドソン湾会社の毛皮交易地として創設。81万2201人(2011)。

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