ばか

精選版 日本国語大辞典 「ばか」の意味・読み・例文・類語

ばか

〘副助〙 (副助詞「ばかり」の変化した語)
① おおよその程度を表わす。ぐらい。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)初「七日斗(ばカ)なんのこったと女房いひ」
限定の意を表わす。だけ。
咄本・富来話有智(1774)雨天「そしていつでも、うてんうてんとしれねいことばかいふが、うてんとはマア何の事だ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ばか」の意味・わかりやすい解説

ばか

知能が劣り愚かなこと、またそのさまや人をいう。「馬鹿」は当て字で、梵語(ぼんご)で「痴」を意味するmoha(慕何)や「無知」の意のmahallaka(摩訶羅)の転というが、破家(家財を破るほど愚かな意)の転義ともいい、語源については諸説がある。愚かなことの意から、取るに足りないつまらぬことや常軌を逸したことなどもいい、「ばか騒ぎ」「ばか力」などのように、接頭語的に名詞の上につけて、程度の甚だしいことを表す。「莫迦」「破家」などの字もあてるが、一般には「馬鹿」をあてるため、中国の史書『史記』の「始皇本紀」に伝える、秦(しん)の始皇帝の死後、丞相(じょうしょう)となった宦官(かんがん)の趙高(ちょうこう)がその権勢を試そうとして、自分の擁立した二世皇帝に鹿(しか)を献じて馬だと言い張り、群臣はその威を恐れてほとんど反対しなかったという故事が、この語の語源であるとする俗説も生まれた。

[宇田敏彦]

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