デジタル大辞泉
「たどたどしい」の意味・読み・例文・類語
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たどたど‐し・い
〘形口〙 たどたど
し 〘形
シク〙 (「たづたづし(たずたずし)」の変化した語)
①
学問・
技芸などに十分に習熟していない。その道に精通していない。未熟である。あぶなげである。不安定である。
※枕(10C終)八二「これが末を知り顔に、たどたどしき真名に書きたらんも、いと見ぐるしと、思ひまはす程もなく」
② 未熟なために
進行などが、なめらかにいかない。のろのろしてはかどらない。
※
小島のくちずさみ(1353)「いと慰めかねぬべき旅の空も、あまりによろづたどたどしかりしかば」
③ 機能などを十分に発揮していない。おぼつかない。不確かである。はっきりしない。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「眼もたとたどしく、今はおぼえ侍るを」
④
土地、場所の様子がよくわからない。地理的に不案内である。
※
源氏(1001‐14頃)
竹河「いざ、しるべし給へ。まろは、いと、たどたどし」
⑤ 直接に、はっきりそれと知ることができない状態になっている。霞などがかかってぼんやりとしている。薄暗くてはっきり見えない。音や声などがかすかで、はっきり聞こえない。
※枕(10C終)五「しのびたる
郭公の、遠くそらねかとおぼゆばかり、たどたどしきを聞きつけたらんは」
※源氏(1001‐14頃)藤裏葉「なかなかに折りや惑はん藤の花たそがれ時のたどたどしくは」
たどたどし‐げ
〘形動〙
たどたどし‐さ
〘名〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報