あしらい

精選版 日本国語大辞典

あしらい あしらひ

〘名〙 (動詞「あしらう」の連用形の名詞化)

① 相手を待遇すること。

(イ) (多く「…あしらい」の形で) …のような扱い、待遇。

※狂言記・俄道心（1700）「出家と申す者も、檀那あしらひのなんのかのと申して」

(ロ) 応対。また、相手をすること。

※寸鉄録（1606）「よの国々もこれをみて、たのみがない、〈略〉と思ふほどに、なつかぬぞ。これは天子と諸侯のあしらひなり」

※浮世草子・日本永代蔵（1688）五「『いやなら、いやになされ』と、猫の蚤見て、あしらひもせねば」

② 景物、料理、装飾などでの取り合わせ。配合。また、その物。

※歌舞伎・幼稚子敵討（1753）六「此山吹の一色(しき)は、あしらいを拵へて籠へ挿そふわいのふ」

③ 連句の案じ方七名の一つ。前句の意または前句中の事物を受け、これに適当な事物をよみ込んで、作意を軽く扱うもの。

※俳諧・俳諧十論（1719）九「我家に三法の附方あり。第一を有心附といふ〈略〉其次を会釈(アシラヒ)といひ、其次を遁句(にげく)といふ」

④ (アシライ・会釈) 能楽の型の一つ。相手役の方に体を向けて、互いに気持を通わせること。また、その人。相手。

⑤ (アシライ・会釈) 能楽で囃子(はやし)の一つ。

(イ) 拍子に合わない謡に、大、小の鼓または大、小の鼓と太鼓でする伴奏。

(ロ) 大、小の鼓または大、小の鼓と太鼓の囃子とは独立した、拍子に合わない笛の伴奏。

(ハ) シテ、ワキなどの登場、退場の時に奏する伴奏。あしらい出し。あしらい込み。

(ニ) シテの物着(ものぎ)の間に演奏する物着あしらい、また、シテが橋掛りから舞台に入る時演奏する歩みのあしらいなどをいう。

⑥ 茶道で、茶受けの菓子。点心。また、用具などを扱う際の補助的な動作。

⑦ 邦楽で、長唄の即興的演奏。

⑧ 生け花の花型で、役枝を補い助ける枝、また、それをあしらうこと。

出典　精選版 日本国語大辞典

和・洋・中・エスニック　世界の料理がわかる辞典

あしらい

料理で、取り合わせ。また、一つの料理で、主たるものに取り合わせて少量添えるもの。季節感などの趣(おもむき)を添え、味を引き立てる。焼き魚に添えるはじかみなど。

出典　講談社