精選版 日本国語大辞典 「一色」の意味・読み・例文・類語
いっ‐しょく【一色】
ひとつ‐いろ【一色】
いっしき【一色】
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愛知県中南部、幡豆郡(はずぐん)にあった旧町名(一色町(ちょう))。現在は西尾(にしお)市の南西部を占め、三河湾に面する。旧一色町は1923年(大正12)町制施行。1954年(昭和29)佐久島(さくしま)村を編入。2011年(平成23)西尾市に編入された。国道247号が通じ、一色港―佐久島間には定期船が運航。矢作古川(やはぎふるかわ)の川口にあって矢作古川のつくったデルタと干拓新田が主で、米作とカーネーションを主とした花卉(かき)栽培、養鰻(ようまん)業、ノリ養殖が盛ん。一色港は、沿岸漁業の基地。漁網、海老(えび)せんべいの特産がある。佐久島は三河湾最大の島で、他の島に比べて歴史が古く、数十基からなる古墳群があり、海水浴場やキャンプ場、海釣りセンターもある。8月26~27日の諏訪(すわ)神社の大提灯(ちょうちん)祭は、全長10メートルに及ぶ12個の大提灯を掲げ、海魔除(よ)けの祭礼で有名。
[伊藤郷平]
『『一色町誌』(1970・一色町)』▽『『一色町二十五年誌』(1994・一色町)』
(1)一つの色,同じ色,(2)一つの種類,同じ種類,一品,(3)ひとそろい,ある物事のすべて,一式,などの意味で用いられるが,(2)の用法が一般的である。とくに古代から中世にかけては,一色は〈諸課役のうち,一種類の課役のみを負う〉という意味で用いられることが多い。
日本の荘園制(国衙領)下にあっては,一般の田地(名田)は年貢(官物)と雑公事との双方を課せられるが,そのうちの一方のみを納め,他方を免除されていて納めない場合,それを一色という言葉で表す。ただし,実例では年貢(官物)のみを納める場合がほとんどであった。たとえば,一色別納,一色別符といえば,荘園領主あるいは国に対しては年貢(官物)のみを納め,雑公事を免除されていることをいう。また,一色田は,荘園の耕地のうちの荘園領主直属地という意味で用いられることが多いが,これは,名田が年貢・雑公事の双方を負担するのに対して,直属地は年貢のみを負担することに由来する。
執筆者:中野 栄夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(1)一つの色,同じ色。(2)一つの種類,同じ種類。(3)一式,ひとそろいなどの意味。中世の荘園では年貢・公事(くじ)の両方を負担する名田(みょうでん)と異なり,年貢のみを負担する地種を一色田とよんだが,この一色は(2)の一種類の課役をいう。一色地・一色不輸田・一色別納(べちのう)・一色別符もほぼ同様の地種で,中世所領を1人で独自に支配することは一色(一式)進退といった。華道で一種類の草花をいけることも一色という。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…1973年赤羽根漁港が整備され,漁業も盛んである。片浜十三里といわれる断崖絶壁の海岸線が続く一色の磯は,美しい景観と磯釣りで知られる。【萩原 毅】。…
※「一色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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