鴫野村(読み)しぎのむら

日本歴史地名大系 「鴫野村」の解説

鴫野村
しぎのむら

[現在地名]城東区鴫野西しぎのにし一―五丁目・鴫野東しぎのひがし一―三丁目・中浜なかはま一丁目・東中浜ひがしなかはま一丁目

新喜多しぎた新田の南にある。宝永元年(一七〇四)に大和川が付替えられ、新喜多新田が開発されるまでは、村の東から北へ大和川が流れ、北は今福いまふく村・蒲生がもう村に対していた。村域東端の旧川沿いに集落がある。また村西端で平野川・猫間ねこま川が合流、鴫野橋の下手で寝屋川に注ぐ。村北の川筋には剣先船の着船場があった。「熊野詣日記」に、応永三四年(一四二七)足利義満の側室北野殿の一行が熊野参詣帰路「しきのゝわたり」を船で渡ったことがみえ、水上交通の要津であったことをうかがわせる。天文二〇年(一五五一)二月一六日、本願寺証如の一行は「シキノツヽミ」へ土筆取りに出かけており(天文日記)、当地付近は石山いしやま本願寺(跡地は現東区)の勢力下にあったとみられる。元亀元年(一五七〇)に始まった石山合戦のときには本願寺側の五一ヵ所の端城の一が置かれ(信長公記・陰徳太平記)、城中では食料の自給が図られ、付近の門徒農民は本願寺に兵糧を献じたと伝える(城東区史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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