魔界転生(読み)マカイテンショウ

デジタル大辞泉 「魔界転生」の意味・読み・例文・類語

まかいてんしょう〔マカイテンシヤウ〕【魔界転生】

山田風太郎小説魔界の力でよみがえった天草四郎に立ち向かう柳生十兵衛戦いを描くアクションファンタジー。昭和39年(1964)「おぼろ忍法帖」の名で発表。昭和56年(1981)、深作欣二監督・脚本により映画化。平成15年(2003)、平山秀幸監督によりリメークもされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「魔界転生」の意味・わかりやすい解説

魔界転生
まかいてんしょう

山田風太郎の忍法小説。1964年(昭和39)から66年にかけて『大阪新聞』ほかに連載された。初出のときの題名は『おぼろ忍法帖(にんぽうちょう)』。由比正雪(ゆいしょうせつ)は奇怪な妖術(ようじゅつ)師と共謀して、すでに物故した剣豪荒木又右衛門(またえもん)、田宮坊太郎、宮本武蔵(むさし)、柳生但馬守(やぎゅうたじまのかみ)、宝蔵院胤舜(いんしゅん)などをこの世に再生させ、紀伊大納言(だいなごん)頼宣(よりのぶ)を奉じて江戸幕府を倒さんものと画策する。正雪野望の前に単身立ちはだかるのは隻眼の剣客、柳生十兵衛である。こうして日本の時代小説に欠くべからざるヒーローたちが、剣や槍(やり)をとって凄絶(せいぜつ)な死闘を展開する。SF的な発想とプロットの妙で、伝奇小説に新生面を開いた作者の忍法帖シリーズ中の代表作といえよう。

厚木 淳]

『『魔界転生』上下(角川文庫)』

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デジタル大辞泉プラス 「魔界転生」の解説

魔界転生

①山田風太郎の長編伝奇小説「おぼろ忍法帖」(1967)を、「忍法魔界転生」(1978)を経て再改題したもの。「忍法帖」シリーズの代表作のひとつ。“十兵衛三部作”の第2作。
②1981年公開の日本映画。①を原作とする。監督・脚本:深作欣二、脚本:野上龍雄、石川孝人。出演:千葉真一、沢田研二、佳那晃子、緒形拳、室田日出男、真田広之、若山富三郎ほか。魔界の力で甦った天草四郎に立ち向かう柳生十兵衛の戦いを描くファンタジー。
③2003年公開の日本映画。監督:平山秀幸、脚本:奥寺佐渡子。出演:佐藤浩市、窪塚洋介麻生久美子、古田新太、國村隼、柄本明中村嘉葎雄、長塚京三ほか。②のリメイク作品。

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