飲込・呑込(読み)のみこむ

精選版 日本国語大辞典 「飲込・呑込」の意味・読み・例文・類語

のみ‐こ・む【飲込・呑込】

〘他マ五(四)〙
① 飲んで胃の方へくだす。嚥下(えんか)する。かみくだかないでそのままの形で飲みくだす。〔羅葡日辞書(1595)〕
※虎明本狂言・柑子(室町末‐近世初)「さんざんにかみこなひて、くっとのみこふでござある」
理解する。納得する。会得する。合点する。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「歌の心をはやくのみこむ 鶯の黒焼入る粉ぐすりに〈玄康〉」
③ 承諾する。引き受ける。
※浮世草子・傾城歌三味線(1732)一「証文書を渡せば、〈略〉金子渡しませふと、口にある鮹と共に早速飲込(ノミコ)めば」
たかを括(くく)る。見くびる。
※浮世草子・好色万金丹(1694)三「よいか、傾城と公事はならぬものとのみこんで」
⑤ (出そうなものを飲み込む意から) おさえる。我慢する。こらえる。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「心底に沈んでゐた嬉しみ有難みが思ひ懸けなくもにっこり顔へ浮み出し懸った…が、ぐっと飲込んで仕舞ひ」

のみ‐こみ【飲込・呑込】

〘名〙
① 飲みこむこと。飲みくだすこと。
② 納得すること。理解。了解。合点。また、物おぼえ。
※大学垂加先生講義(1679)「聖学はかうしたことと綱領ののみこみがあるほどに」
③ 承知すること。うけ合うこと。合点。
浄瑠璃淀鯉出世滝徳(1709頃)下「先にのみこみなき時は、勝二郎さまのお為迄取かやしのならぬ事」

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