普及版 字通 「飭(漢字)」の読み・字形・画数・意味
飭
13画
[字訓] つつしむ・ととのえる・ただしい
[説文解字]
[字形] 会意
(し)+力。力は巾の形より誤ったもの。飭は食事のとき、人が巾を帯びる意。〔説文〕十三下に「堅きを致すなり」とし、字を人と力に従い、(食)(しよく)声とするが、がの初文。巾を加えて、これを以て拭い清める意。〔説文〕は力を義符とみて、堅強を以て解したものであろうが、力の篆形は巾とよく似ている。拭き清める意より、整飭の意となり、すべて身辺を整斉にすることをいう。〔詩、小雅、六月〕「戎車に飭(ととの)ふ」のように武備や器具などにもいう。勅(勅)と声義に通ずるところがあり、〔説文〕に「飭は讀みて敕の(ごと)くす」という。飭の本字である(飾)は、また別の字として用いられている。
[訓義]
1. ぬぐう、きよめる、おさめる、ととのえる。
2. 勅と通じ、つつしむ、うやまう、ただしい、いましめる、おしえる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕飭 トトノフ 〔字鏡集〕飭 ツツシム
[語系]
飭・拭sjikは同声。飭の初文はに作り、食事の際にナプキンを佩びる形、拭はその形声の字とみてよい。また敕thikは声を以て通じ、敬勅・修整などの意は、その通用義とみるべきであろう。
[熟語]
飭帰▶・飭躬▶・飭禁▶・飭愿▶・飭査▶・飭差▶・飭催▶・飭材▶・飭身▶・飭身▶・飭正▶・飭政▶・飭朴▶・飭力▶・飭令▶・飭▶・飭励▶
[下接語]
戒飭・誡飭・規飭・匡飭・謹飭・具飭・敬飭・警飭・謙飭・厳飭・修飭・整飭・祓飭・約飭
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報