風呂・風炉(読み)ふろ

精選版 日本国語大辞典 「風呂・風炉」の意味・読み・例文・類語

ふろ【風呂・風炉】

〘名〙
① 入浴のための場所。湯殿。浴室。江戸時代初期までは蒸風呂形式のものであったが、のち浴槽をもつ戸棚風呂や水風呂も生まれ、さらに中期には柘榴口(ざくろぐち)をつけた風呂が一般化した。のちには蒸風呂形式はすたれ、現在のように浴槽で入浴する風習となった。
※園太暦‐貞和元年(1345)七月一二日「入夜参仙洞申入之処、御風炉云々」
② 客を招いて風呂を馳走すること。また、その時の酒宴
※俗語考(1841)ふろや「人まねぎて燕楽する事を風呂と称したるものなり」
風呂屋
④ 塗りあげた漆器をかわかすための穴蔵
※虎明本狂言・塗師(室町末‐近世初)「ぬのにまかれねぢぎを入て、ひたねぢにねぢつめらるれはあら心うるしばけの、ばけそこなはば、いかならんと、ふろのこかげに入にけり」
⑤ 鍬(くわ)や鋤(すき)などの柄の先端と金具の間の木製の部分。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)上「梅桜花を揃へし其中に南のふろの浴衣より今此新地に恋衣、紀の国屋の小春とは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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