風呂屋(読み)フロヤ

デジタル大辞泉 「風呂屋」の意味・読み・例文・類語

ふろ‐や【風呂屋】

湯銭を取って入浴させる浴場。また、それを業とする人。銭湯せんとう湯屋公衆浴場
風呂桶など、風呂設備道具を売る店。
風呂桶を据えた部屋浴室湯殿
「帰りて、―に入らせ給ひぬ」〈仮・仁勢物語・下〉
[類語]銭湯浴場

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精選版 日本国語大辞典 「風呂屋」の意味・読み・例文・類語

ふろ‐や【風呂屋】

〘名〙
① 浴室。浴場。湯殿。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「コノ furoyano(フロヤノ) イリグチニ」
② 湯銭を取って入浴させる浴場。また、それを業とする人。銭湯。湯屋。公衆浴場。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 特に、江戸時代、湯女(ゆな)を抱えて、入浴客の垢をかかせる一方、売春をもさせた湯屋。湯女風呂。
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「風呂屋の軒をかへるかりがね 行灯のひかりのどけき天のはら〈西鶴〉」
※浮世草子・好色盛衰記(1688)四「其外茶屋、風呂屋、又は手かけ物、白人舞子さがし糸屋扇屋都に有程の女をせんさくして」
⑤ 風呂桶を売る店。
※幕令抜抄‐八・天保一三年(1842)四月一六日(古事類苑・産業二二)「風呂屋〈但し湯屋には無之候〉」
⑥ 江戸時代、普化宗(ふけしゅう)末寺で、虚無僧が寺内で営む湯屋。これは普化宗二代目の祖が、寺中で風呂をたてて施したが、そのうち、志あるものから薪木料を申し受けたことに始まるという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「風呂屋」の意味・わかりやすい解説

風呂屋
ふろや

公衆浴場

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世界大百科事典(旧版)内の風呂屋の言及

【銭湯】より

…そのため,経営者だけでなく,風呂のない都市生活者にとっても大きな問題となっている。
[銭湯建築の変遷]
 銭湯には蒸気浴と温湯浴の2種類があり,古くは前者が風呂屋で,後者が湯屋とはっきり区別されていた。室町末の上杉家本《洛中洛外図》には風呂屋が描かれている。…

※「風呂屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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