願称寺(読み)がんしようじ

日本歴史地名大系 「願称寺」の解説

願称寺
がんしようじ

[現在地名]富山市梅沢町二丁目

津梁山と号し、浄土真宗本願寺派本尊阿弥陀如来。往時礪波となみなか(現小矢部市)に寺基を構え、中村願称寺と称したという。本願寺五代綽如越中下向杉谷すぎたに(現井波町)逗留のとき、頓円(綽如次男、越前藤島超勝寺開基)に命じて願称寺と号する一坊を建立させ、永和二年(一三七六)綽如より寿像を開基綽玄が拝したという(「由緒書」寺蔵文書)。本願寺八代蓮如が文明三年(一四七一)より同七年まで越前吉崎よしさき(現福井県金津町)に下向のとき、毎年参詣し、とくに願称寺、光照こうしよう(現氷見市)、赤尾道宗三人が同道して、蓮如より十字・九字・六字名号を一幅ずつ拝領したとされる。

願称寺
がんしようじ

[現在地名]下津町大崎

東照山と号し、浄土真宗本願寺派、本尊阿弥陀如来。寺蔵の「大崎願称寺由緒」所収の天明八年(一七八八)の「開基の由来」に「往古東照院と申ハ真言宗ニて有之由申伝候、于時蓮如上人当国御下向の砌、御化導を蒙り転宗致シ蓮如上人より御名号を頂戴」とあり、もと真言宗で東照とうしよう院と称したが、蓮如廻国の時、つまり文明年間(一四六九―八七)に改宗したらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android