音響外傷(読み)オンキョウガイショウ(英語表記)Acoustic trauma

デジタル大辞泉 「音響外傷」の意味・読み・例文・類語

おんきょう‐がいしょう〔オンキヤウグワイシヤウ〕【音響外傷】

非常に大きな音を聞いたあとに起こる聴覚障害内耳有毛細胞障害を受け、耳鳴り聞こえ低下などが生じる。急性音響性難聴

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

六訂版 家庭医学大全科 「音響外傷」の解説

音響外傷
おんきょうがいしょう
Acoustic trauma
(耳の病気)

どんな病気か

 内耳の蝸牛(かぎゅう)が瞬間、あるいは比較的短時間に聞いた大きな音(強大音)のために障害を受けて、急激に発生する難聴をいいます。

原因は何か

 銃火器暴発など、耳が痛くなるようなレベルの強大音を予期せず突然聞いた場合、それが一瞬であっても難聴の原因になります。

 一方、耳が痛くなる程度でなくても、ロックコンサートなどのように強大音を1~2時間連続して聞いた場合にも難聴が発生します。

症状の現れ方

 強大音を聞いた直後から耳が詰まった感じ(耳閉塞感(じへいそくかん))になり、それがおさまってから耳鳴り難聴に気づくことが多いようです。

検査と診断

 難聴の程度を調べるために純音聴力検査が必要になります。強大音によって蝸牛内に発生した障害の部位により、難聴のパターンも異なります。

治療の方法

 突発性難聴に準じた治療が行われ、副腎皮質ステロイド薬、循環改善薬などが使われます。また、内耳への血行を盛んにすることを目的とした星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロック療法が用いられる場合もあります。

 なお、これらの治療を行っても十分な治療効果がなく、難聴が改善しないことがあります。治療効果をあらかじめ予測することは困難です。

予防はどうする

 偶発性の強大音は避けようがありません。しかし、強大音の発生が予測される場合には、音源から一定距離をおくことに注意を払ったり、耳栓などの遮音効果のある防音具をつけておくことが重要です。

將積 日出夫

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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