霧隠(読み)きりごもる

精選版 日本国語大辞典 「霧隠」の意味・読み・例文・類語

きり‐ごも・る【霧隠】

〘自ラ四〙 霧の中に隠れている。霧の中にこもる。
万葉(8C後)一〇・二一四一「この頃の秋の朝明(あさけ)に霧隠(きりごもり)妻呼ぶ鹿の声のさやけさ」
[補注]万葉例は「きりがくり」と訓む説もある。

きり‐がく・る【霧隠】

[1] 〘自ラ四〙 霧で姿が隠れる。
[2] 〘自ラ下二〙 (一)に同じ。
夫木(1310頃)一二「涙にも色こそ見えねはつかりの伊駒の山はきりかくれつつ〈藤原康光〉」

きり‐がくれ【霧隠】

〘名〙 霧に隠れること。
※按納言集(1186‐87頃)「我恋は小倉の山のきりがくれしかありけりとたれか知るべき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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