雛段(読み)ひなだん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雛段」の意味・わかりやすい解説

雛段
ひなだん

歌舞伎大道具一種所作事などのとき,舞台後方にしつらえる地方 (じかた) のすわる台で2段以上のもの。通常,緋毛氈 (ひもうせん) を敷き,長唄の唄い手と三味線上段に,笛,太鼓大小の鼓が下段にすわる。常磐津清元などの浄瑠璃のときは1段で,山台といい下手あるいは上手に斜めに据える (→ ) 。

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世界大百科事典(旧版)内の雛段の言及

【歌舞伎】より

…〈竹本〉(チョボ)と呼ばれる義太夫節の場合は,本来は上手(かみて)の2階にある御簾の内で顔を見せずに演奏したものであったが,後に上手の床(ゆか)で〈出語り〉をすることも行われるようになった。長唄と囃子は舞台正面の〈雛段(ひなだん)〉に,常磐津は下手,清元は上手にもうける〈山台(やまだい)〉で演奏するのを原則とする。長唄と囃子のそれを〈出囃子(でばやし)〉,浄瑠璃系のそれを〈出語り〉と呼ぶ。…

【出語り】より

…位置は演目により上手または下手。長唄が舞台に出るときは緋毛氈(ひもうせん)を敷いた雛段を置き,上段に唄と三味線,下段に囃子方がすわる。これを出囃子という。…

※「雛段」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」