雁門(読み)ガンモン

デジタル大辞泉 「雁門」の意味・読み・例文・類語

がん‐もん【雁門】

中国山西省北部にある句注山のこと。中国北辺守備の要地雁山
咸陽宮築地ついじが高く、が越えられないので、始皇帝が雁の通路としてつくったという伝説の穴。

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精選版 日本国語大辞典 「雁門」の意味・読み・例文・類語

がん‐もん【雁門】

[1] (仏陀を雁王と称するところから) 仏門
※本朝文粋(1060頃)一三・供養自筆法華経願文〈兼明親王〉「敬鴈門之師演鷲峯之偈
[2]
[一] 中国、山西省北部にある山。中国北辺守備の重要な地点。雁山。句注山。
[二] 咸陽宮の築地が高いため雁が越えられないことがあるので、始皇帝が雁の通り抜けられるように設けたという穴。日本で創作された説話と思われる。
平家(13C前)五「飛行自在のさはりあれば、築地には鴈門となづけて、鉄の門をあけてぞとほしける」
[三] 中国、山西省北西部の郡名。戦国時代、趙の置いたもの。〔史記‐韓長孺伝〕
[四] ((一)が中国北方の要所であったところから) 江戸城北方に当たる遊里、新吉原異称
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一二上「雁門のはしごへのほる酒きけん」

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世界大百科事典(旧版)内の雁門の言及

【代】より

…内長城の内側,滹沱河(こだか)の上流にある。漢代に広武県(太原郡に所属)がおかれ,隋代に雁門と改名し代州の中心とした。中華民国に至り代県として省に直属し今日に及んでいる。…

※「雁門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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