長短(読み)ちょうたん

精選版 日本国語大辞典 「長短」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐たん チャウ‥【長短】

〘名〙
① ながいこととみじかいこと。また、長さ。
文華秀麗集(818)下・故関聴鶏〈嵯峨天皇〉「烽火不伝罷関城、唯余長短暁鶏声」
今昔(1120頃か)六「人の命の長短を知る事、掌を指すが如し」 〔孟子‐梁恵王・上〕
長所短所。得手と不得手。また、よしあし。優劣
古今(905‐914)真名序「然長短不同、論以可弁」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉七「人物の長短、時務の得失」 〔史記‐酷吏伝・成〕
③ 余ることと足りないこと。有余と不足。
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉一「或は其長短相償ふてこれが左の双方争論も和することあらん」

なが‐みじか【長短】

〘名〙
① 長いことと短いこと。長いものと短いもの。また、長さのそろっていないこと。ちょうたん。
仮名草子竹斎(1621‐23)上「ながみじか知らざる程の連歌師が功者に逢ふて長競べする」
小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下「長短(ナガミジカ)に挿した線香の細い煙が」
② 長い刀と短い刀。大刀小刀大小
※俳諧・誹讔三十棒(1771)「長短(ながミジカ)も差たれど、刀は中の町ぎりにしまひ、壱本ざしになり」

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デジタル大辞泉 「長短」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐たん〔チヤウ‐〕【長短】

長いことと短いこと。また、長さ。
長所と短所。「長短併せ持つ」
余ることと足りないこと。「長短相補う」
[類語]一長一短一利一害善し悪し痛し痒し

なが‐みじか【長短】

長いことと短いこと。また、長さがまちまちであること。ちょうたん。
「―に挿した線香の細い煙が」〈三重吉・小鳥の巣〉

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デジタル大辞泉プラス 「長短」の解説

長短

古典落語演目ひとつ。「気の長短」とも。八代目雷門助六が得意とした。オチは間抜オチ。主な登場人物は、町人。

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普及版 字通 「長短」の読み・字形・画数・意味

【長短】ちようたん

長さ。

字通「長」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の長短の言及

【散調】より

…朝鮮の独奏楽器のための楽曲形式で,独特のリズム型(長短(チヤンダン))にもとづく数個の楽章からなり,一般に杖鼓の伴奏がつく。19世紀後半に,全羅南道出身の金昌祚(1865‐1920)が散調としての音楽を確立したといわれるが,その楽曲構造や独特の旋律や器楽的な技巧の類似から,全羅道に古くから伝わる巫楽(シナウィ)という即興的に演奏される器楽合奏の影響を受けて発展させた音楽といえる。…

※「長短」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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