長栄寺(読み)ちようえいじ

日本歴史地名大系 「長栄寺」の解説

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]新島村本村三丁目

本村ほんそん集落の北部にあり、日蓮宗。三松山と号し、本尊は十界大曼荼羅。応永年間(一三九四―一四二八)の創建で、開山は日英。開山以来の歴代住持の経歴や事績を詳細に記した長栄寺歴祖次第(二巻、都指定文化財)を伝えている。日英は下総国守護千葉氏の庶流で上総国武射むさ埴谷はにや(現千葉県山武町)を本貫地とする豪族埴谷氏(垣谷氏ともいう)の一族で、埴谷郷妙宣みようせん寺を拠点として日蓮宗中山門流の布教活動を展開したことが知られる(法宣院文書)

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]小山市小薬

小薬こぐすりの北に位置し、天龍山円珠院と号し、天台宗。本尊は薬師如来。延享四年(一七四七)成立の略縁起(当寺文書)によれば、円仁が嘉祥三年(八五〇)当地に一寺を創建し弟子長栄を開山としたのが始まりで、本尊薬師如来は円仁作と伝える。また天慶五年(九三九)藤原秀郷により平将門討伐のための祈祷を命じられ、勝利を得た賞として田地を寄進されたともいう。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]掛合町入間

入間の寺谷下いるまのてらだにした集落にある。徳寿山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。開基・創建年代は不明。美濃国瑞林ずいりん(現岐阜県美濃加茂市)から本覚霊照を迎え開山とする。もと長福ちようふく寺といったが、正徳(一七一一―一六)将軍家に長福丸が誕生したため長栄寺と改めた(長栄寺文書、「雲陽誌」)。のち宮内みやうち(現佐田町)高松こうしよう寺から祖眠が来て再興したため、祖眠を中興開山とする(長栄寺文書)。その後三世住職に入間いるま村庄屋・大庄屋を勤めた太郎兵衛が落飾して元禄一〇年(一六九七)入山、了応と称した(田部家文書)

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]三戸町同心町 古間木平

同心どうしん町の北西、熊原くまはら川の右岸低地に臨む段丘に位置する。慶誉山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」に「長栄寺 同上(浄土宗)、慶誉山天学院、開山自覚幢上人元和三年寛政三年迄十九代」とある。慶長二年(一五九七)の草創で、開山は大泉だいせん(現岩手県盛岡市)の開祖祐誉ともいう(新撰陸奥国誌)。寺伝では大泉寺が盛岡へ移転した跡地に建立されたものといわれ、当寺と大泉寺の寺名にちなむ霊亀伝説が残されている。

境内に県重宝の檜山御前五輪塔と正応碑の石塔二基がある。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]恵那市長島町中野

永田ながた川左岸、JR恵那駅西側にある。法昌山と号し、曹洞宗。本尊は聖観音。慶長五年(一六〇〇)可児かになか(現可児郡御嵩町)愚渓ぐけい寺から正峯祖全が来て、中野なかの大崎おおさき大隅屋敷おおすみやしきに庵を建て宝福庵と名付け、寛文元年(一六六一)法昌山長栄寺と改称したという。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]東大阪市高井田

鴨高田かもたかだ神社の北隣にある。新真言宗、山号百済山、本尊十一面観音。寺伝では聖徳太子が自ら本尊を彫刻安置、百済僧入法師を開山として創建したが、中世の度々の兵火で荒廃したという。延享元年(一七四四)正法律中興の祖といわれる慈雲が再興、文政八年(一八二五)正月本堂焼失、同三月再建。「河内名所図会」に掲げる挿画により往時の隆盛がしのばれる。現在建物は一千坪の境内(府指定史跡)に本堂などのほか、禅那台(府指定文化財)がある。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]北区柳原町

洞松山と号し、天台宗。本尊胎蔵界大日如来。俗称柳原新やなぎはらしん寺・柳原豪潮ごうちよう寺・御祈願所。文政六年(一八二三)徳川斉温は現在地に祈願所を創立して豪潮を住まわせた(「名古屋市史」社寺編)。天保六年(一八三五)豪潮は愛知郡諸輪もろわ(現東郷町)にあって廃絶していた長栄寺を、斉温の命によって復興した。二世実戒は当寺を御祈願所の地に移して、御祈願所と合併した。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]東郷町別所

別所べつしよ集落の西側に位置する。宝樹山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。長江永福ながええいふく寺所蔵の古記録によれば、宝永二年(一七〇五)龍徳りゆうとく寺一二世鷲仙任峰の開基で、同寺五世貞文存侃を開山とする。元治元年(一八六四)三月別所に大火があり、諸堂は残らず焼失、被災を免れたのはわずかに当寺と別の位置にあった大日堂および村田本家だけであった。

長栄寺
ちようえいじ

[現在地名]師勝町六ッ師 北屋敷

延寿山と号し、日蓮宗。永徳二年(一三八二)の創建で、初め真言宗であったが、実成じつじよう(現海部郡甚目寺町)二世の日長が応永元年(一三九四)当地に宗門弘通の時、改宗して今の山号と寺号を与えたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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