旧布施市地区(読み)きゆうふせしちく

日本歴史地名大系 「旧布施市地区」の解説

旧布施市地区
きゆうふせしちく

東大阪市域のうち、おもに長瀬ながせ川流域を占め、律令制以来の若江郡北西部、渋川郡北東部にあたる。布施市は昭和四二年(一九六七)枚岡ひらおか市・河内市と合併して東大阪市となった。長瀬川と第二寝屋川が北西流し、近鉄奈良線・大阪線が通る。古代渋川郡一帯は物部氏の支配下にあったといわれ、物部守屋の田荘はのちに四天王寺(現天王寺区)に施入されたと伝えるが、「四天王寺御手印縁起」に載る寺領田地のなかに長瀬川流域の地名がみえる。長瀬川は宝永元年(一七〇四)付替え以前の大和川の主流と考えられ、沿岸一帯は水上交通や水産・交易などの拠点として栄えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報