釣者・釣物(読み)つりもの

精選版 日本国語大辞典 「釣者・釣物」の意味・読み・例文・類語

つり‐もの【釣者・釣物】

〘名〙
① (━する) 路上などで出会った見知らぬ者をさそって情を交わすこと。
※評判記・色道大鏡(1678)二五「釣者(ツリモノ)といふは、物見物参りの道路にて、近付ならぬ女を引ゆく事也」
路傍で客をさそって売春する女。
※俳諧・鷹筑波(1638)二「つきだされたる寝屋の釣(ツリ)もの 後夜時に鐘楼の坊主目は覚て」
③ だまして金などをまきあげる相手。えもの。
※浄瑠璃・奥州安達原(1762)四「結構な釣者がかかったと思ひの外、あちこちへ釣られてのけた」
④ (釣物) つるすようにしたもの。また、つってあるもの。簾など。特に歌舞伎大道具の一つで、天井につっておいて、必要なときに綱をゆるめておろして背景などに用いるもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)大切「大柱、吊(ツ)り物(モノ)にて水口を見せ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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