野薔薇（読み）ノイバラ

デジタル大辞泉

の‐いばら【野薔^＝薇／野茨】

バラ科の落葉小低木。原野や河岸に自生し、やや蔓つる状で、茎に鋭いとげがある。葉は楕円形の小葉からなる羽状複葉。初夏、香りのある白色や淡紅色の5弁花が咲く。実は赤く熟し、漢方で営実えいじつといい瀉下しゃか・利尿薬に用いられる。のばら。うばら。いばら。《季 花＝夏》
[類語]薔薇・茨・野薔薇・花茨・蔓薔薇

の‐ばら【野薔^＝薇】

ノイバラの別名。また一般に、野生のバラ。《季 花＝夏 実＝秋》
[補説]作品名別項。→野ばら
[類語]薔薇・茨・野茨・花茨・蔓薔薇

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

の‐ばら【野薔薇】

[1] 〘名〙 ＝のいばら（野薔薇）《季・夏》

▼のばらの実《季・秋》

※自然と人生（1900）〈徳富蘆花〉湘南雑筆「田の畔の野茨(ノバラ)も簇々芽を吐きぬ」

[2] (原題Heidenröslein)

[一] ゲーテ作の詩。野に咲くバラとそれをつむ少年の情景にたくして、淡く傷つきやすい愛をうたったもの。一七八九年作。

[二] 歌曲。シューベルト作曲。一八一五年作。歌詞は(一)による。

[三] 合唱曲。ウェルナー作曲。一八二九年発表。歌詞は(一)による。

や‐しょうび ‥シャウビ【野薔薇】

〘名〙 野生のバラ。のばら。〔訓蒙図彙（1666）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

動植物名よみかた辞典　普及版

野薔薇 (ノウバラ・ノバラ)

植物。バラ科の落葉小低木,園芸植物,薬用植物。ノイバラの別称

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」