(読み)うばら

精選版 日本国語大辞典 「茨」の意味・読み・例文・類語

うばら【茨】

〘名〙 (平安時代には「むばら」と表記されたが「うばら」の方が古い)
とげのある小木総称いばら。うまら。おまら。
万葉(8C後)一六・三八三二「枳(からたち)棘原(うばら)刈り除(そ)け倉立てむ屎(くそ)遠くまれ櫛造る刀自
伊勢物語(10C前)六三「むばらからたちにかかりて家に来てうちふせり」
② 「のいばら(野茨)」の異名。《季・夏》 〔本草和名(918頃)〕

うまら【茨】

〘名〙 =うばら(茨)
※万葉(8C後)二〇・四三五二「道のへの宇万良(ウマラ)の末(うれ)に這(は)ほ豆のからまる君をはかれか行かむ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「茨」の意味・読み・例文・類語

いばら【茨/×荊/×棘】

バラカラタチなど、とげのある低木の総称。荊棘けいきょく
人里近くに多いバラ科バラ属の低木の総称。ノイバラヤマイバラヤブイバラなど。 花=夏 実=秋》「―さくや根岸の里の貸本屋子規
植物のとげ。
身に受ける苦難のたとえ。「―の人生」
唐破風からはふなどで、下部曲線がとげ状の突起となっている所。
[類語](1薔薇野茨野薔薇花茨蔓薔薇/(4苦難苦痛試練四苦八苦七転八倒苦しみ

むばら【茨】

うばら」に同じ。
いはほの苔むし―ひかかりたるなりけり」〈今昔・一三・一二〉

し【茨】[漢字項目]

[音]シ(漢) [訓]いばら うばら
学習漢字]4年
かや。かやぶき。「茅茨ぼうし

うばら【茨/荊棘】

とげのある植物のこと。いばら。
ノイバラ別名 夏》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「茨」の解説

茨 (ハマビシ)

学名Tribulus terrestris
植物。ハマビシ科の一年草,薬用植物

茨 (イバラ・ウバラ;ウマラ;ムバラ)

植物。有刺植物およびバラ科バラ属の蔓性または直立低木の総称。バラの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android