郵便制度(読み)ゆうびんせいど

精選版 日本国語大辞典 「郵便制度」の意味・読み・例文・類語

ゆうびん‐せいど イウビン‥【郵便制度】

〘名〙 信書小包などを集配、伝達する通信制度日本では前島密によって明治四年(一八七一)から官営の制度が始められ、同五年から政府専掌することとなった。郵便制。
※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉維新当時の滑稽外交「郵便制度の事から、海底電信を引くことから、〈略〉何から何まで深切に日本に教へて呉れたのは米国であった」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「郵便制度」の解説

郵便制度
ゆうびんせいど

1871年(明治4)前島密(ひそか)の立案による東京―大阪間の「新式郵便」開始が日本における近代郵便の創業。前代からの飛脚遅滞・不着がはなはだしいうえに高額のため,駅逓頭(えきていのかみ)に就任した前島は,飛脚にかわる近代郵便制度の創業を決意。欧米視察後,72年郵便を全国に実施,73年郵便事業の政府専掌・全国均一料金制を確立した。郵便物としては71年に書状とともに金子(きんす)入書状(のちの現金書留郵便)・日刊紙類(のちの第3種),72年書留・書籍類(のちの第4種)と外国郵便の取扱いを開始,73年郵便葉書を発行した。なお最初の郵便切手は1871年に発行された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「郵便制度」の解説

郵便制度
ゆうびんせいど

近代的通信事業の一部門
江戸時代の飛脚制度にかえて,明治維新後,駅逓頭前島密が全国的な通信手段を建議し,駅逓司もとに1871年官営郵便事業を東京・大阪間で開始した。翌'72年全国に拡大し,'73年全国均一料金制による全国郵便網を確立。'77年万国郵便連合に加盟,'85年逓信省が設置され郵便・電信事業などを統轄した。

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