遠光寺(読み)おんこうじ

日本歴史地名大系 「遠光寺」の解説

遠光寺
おんこうじ

[現在地名]甲府市伊勢二丁目

あら川東岸、新平和しんへいわ通東側にある。宝塔山と号し、日蓮宗本尊は十界曼荼羅。当寺の由緒書(寺記)などによれば、加賀美次郎遠光は菩提寺建立を望み、小曲おまがりに一〇町四方の地を定め建暦元年(一二一一)から建保二年(一二一四)にかけて禅宗の寺を建て、感応山遠光寺と号した。創建に際して開山に京都五山建仁けんにん寺の栄西を請うたが、老齢・病弱により弟子の宗明が赴き住職となったと伝える。遠光は元仁元年(一二二四)九月一九日八一歳で没し、諡号は遠光院殿と付けられた。文永一一年(一二七四)宗明は身延みのぶに入山した日蓮を訪ね弟子となり、名を最上院日宗と改めた。

遠光寺
おんこうじ

[現在地名]黒石市温湯 鶴泉

温湯ぬるゆの西にあり、寿量山と号し、日蓮宗。本尊釈迦如来。縁起によれば、寛永元年(一六二四)石名坂いしなざかから鶴羽立つるはだちに移住して温泉場を開き、田地を開いた浅瀬石あせいし千徳家の遺臣佐藤式部が一庵を建て、本照院と名付けたことに始まるという。本照院はまもなく廃庵となったが、正徳五年(一七一五)秋田から来て黒石妙経みようきよう寺日利の弟子となった日永が再興し、道久庵と称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報