運は天にあり（読み）ウンハテンニアリ

デジタル大辞泉

運うんは天てんにあり

運は天の支配するもので、人力ではどうにもできない。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

うん【運】 は 天(てん)にあり

人の運はすべて天命によるもので、人間の力ではどうすることもできない。

※太平記（１４Ｃ後）二九「運は天にあり、一足も引く事有るべからず。只討死をせよ」

[補注]江戸時代、このあとにもじりの表現を加えて対句のようにすることがよく行なわれた。「運在_レ天、吾刀在_二質屋_一」〔醒睡笑‐五〕、「運は天にあり、ぼた餠は棚に有り」〔嫰葉相生源氏‐五〕など。

出典　精選版 日本国語大辞典

ことわざを知る辞典

運は天にあり

人間の運命は、人知をもって計れるものではなく、天命によるものである。

[使用例] 娘の嫁入りはあたかも富籤を買うがごとし。中るも中らざるも運は天に在り。いな、その心次第にて、極楽もあり地獄もあり［福沢諭吉＊新女大学｜1899］

[解説] 人の運命は初めから天命によって定まっているとする考え方で、運命を賭けた戦いくさや勝負ごとなどで、結果を天に任せ、覚悟を決めて行動するときに用います。また、そうした重々しい場面で用いられるのをからかって、「運は天にあり、牡丹餅は棚にあり」などとしゃれて、その場の笑いを誘うこともあります。

〔英語〕Man proposes, God disposes.（人は企て、神は処置する）

出典　ことわざを知る辞典