討死(読み)うちじに

精選版 日本国語大辞典 「討死」の意味・読み・例文・類語

うち‐じに【討死】

〘名〙
戦場で敵と戦って死ぬこと。戦死
保元(1220頃か)下「主君と共に討死をし、腹をきるは常の習ひ」
② (「…と討死にする」の形で、比喩的に用いる) あることがらに生命をかけるほど、一所懸命になったり夢中になったりすること。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「マア酒と討死(ウチジニ)するぶんのことよ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「討死」の解説

討死
うちじに

軍陣で敵の手にかかって死ぬこと。戦死の武士的ないい方。中世初頭の治承・寿永の内乱期以来,分捕(ぶんどり)や先懸(さきがけ)とともに軍功の重要な一つとして意識され,討死者の所領遺族に安堵された。また遺族に所領が給与されることもあったが,軍功の賞としての所領の給与は源頼朝の東国政権成立以後であり,治承・寿永の内乱期に,討死・分捕・先懸などが軍功として強く意識されたのは,所領の獲得に直結したからである。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報