述べて作らず(読み)ノベテツクラズ

デジタル大辞泉 「述べて作らず」の意味・読み・例文・類語

べてつくらず

《「論語」述而から》古人言動を伝え、述べるだけで、作り話はしない。天下道理は、古人の論説中にすべて包含されているという意。孔子学問に対する自分態度を語った言葉

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故事成語を知る辞典 「述べて作らず」の解説

述べて作らず

伝統を重んじ、新しいものを生み出すのには慎重な態度を述べたことば。

[使用例] たとえ述べて作らずというも、その撰者・述者に帰するところの責任は、もっとも重きものなりと覚悟せざるべからず[福沢諭吉*読倫理教科書|1890]

[由来] 「論語じゅつ」に見える、孔子のことばから。自分が学問する際の態度を、「述べて作らず。信じて古を好む(先賢の教えを伝えはするが、自分の考えを付け足したりはしない。伝統を信じて、愛好している)」と説明しています。ここでの「述べる」とは、先人たちの教えを伝えるという意味です。

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