こ‐じん【古人】
〘名〙
※
続日本紀‐天平宝字元年(757)八月甲午「古人有
レ言。損
二有余
一補
二不足
一。天之道也」
※俳諧・奥の
細道(1693‐94頃)旅立「日々旅にして旅を栖
(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり」 〔
詩経‐邶風・
緑衣〕
※
謡曲・
養老(1430頃)「古人眠り早く覚めて、夢は六十歳の花に過ぎ」
③ 昔かたぎの人。昔もの。
※
随筆・
戴恩記(1644頃)下「又此紹巴法橋かたりくおほき人にて、あしくいふ事もあれども、さすが古人にて、殊勝のこころ持給へり」
※
文華秀麗集(818)上・和渤海大使見寄之作〈坂上今継〉「一面相逢如
二旧識
一、交情自与
二古人
一斉」
ふるき【古】 人(ひと)
① 昔の人。こじん。いにしえびと。
※
書紀(720)欽明二年七月(北野本訓)「古人
(フルキヒト)の云
(いは)く
追悔(をいくゆ)れども及
(をよ)ぶこと無しと云へるは此
(こ)の謂
(い)ひなり」
② 年をとった人。老練な人。また、
知識や
経験の豊かな人。
※
平家(13C前)三「今はふるき人とては成頼・親範ばかり也」
いにしえ‐びと いにしへ‥【古人】
〘名〙
① 昔の世の人。古人。また、特に
上代の人。いにしえのひと。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
② 古くから親しくしていた人。昔なじみや昔のつれあい。
※
万葉(8C後)一一・二六一四「眉
(まよ)ねかき下いふかしみ思へるに去家人
(いにしへびと)をあひ見つるかも」
③ 古風な人。いにしえのひと。
ふるめき‐びと【古人】
〘名〙 古風な人。昔かたぎの人。
※
源氏(1001‐14頃)
蓬生「世になきふるめき人にて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「古人」の意味・読み・例文・類語
ふる‐ひと【古人/▽故人/▽旧人】
《「ふるびと」とも》
1 昔の人。すでに死んだ人。こじん。
「妹らがり今木の嶺に茂り立つ夫松の木は―見けむ」〈万・一七九五〉
2 年をとった人。老人。
「―は涙もとどめあへず」〈源・明石〉
3 古くからいる人。古参の人。
「右近は、何の人数ならねど…―の数に仕うまつり馴れたり」〈源・玉鬘〉
4 昔なじみの人。
「かげろふのそれかあらぬか春雨の―なれば袖ぞぬれぬる」〈古今・恋四〉
5 昔風の考えの人。古風な人。
「あやしき―にこそあれ。かく物づつみしたる人は」〈源・行幸〉
いにしえ‐びと〔いにしへ‐〕【▽古人】
1 昔の世の人。古人。
「―の心なほく、詞みやびやかに」〈歌意考〉
2 前に親しくしていた人。昔なじみ。旧知。
「眉根掻き下いふかしみ思へるに―をあひ見つるかも」〈万・二六一四〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「古人」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報