きょう‐せん キャウ‥【軽賤】
〘名〙
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)七「
瞋恚のこころをもて、われを軽賤
(キャウゼン)(〈注〉カロメイヤシメ)せしかゆへに、二百億劫、つねに
ほとけにあはす」
② (形動)
身分が軽くいやしいこと。また、その人やそのさま。けいせん。〔
韓非子‐
孤憤〕
③ (形動) 軽く少ないこと。取るにたりないつまらないこと。また、そのさま。けいせん。
※庭訓往来(1394‐1428頃)「薄紙払底之間。所用反古也。更非二軽賤之儀一」
※コンテムツスムンヂ(捨世録)(1596)二「イカホド qiǒxen(キャウセン) naru(ナル) コトモ スグレタル ゴヲント スベシ」
[語誌](1)「
日葡辞書」にはキャウセン・ケイセンともに見え、キャウセンの項に、「caroqu
(カロク) asaxi
(アサシ)」とあり、表記として「軽浅」が行なわれていたか、あるいはそのような語源解釈が行なわれていたかを示している。
意味は「軽微でつまらないこと」とあり③の意に該当し、文書語との
注記がある。ケイセンは、「人をけなしたり軽んじ賤しめたりすること」とあり、①にあたる。
(2)ケイセンは呉音キャウから漢音ケイへと交替したもので、「
日葡辞書」の
両者の
記述の違いは、新旧語形の交替期に見られる意味の違いによる
併存と思われる。
けい‐せん【軽賤】
※日葡辞書(1603‐04)「ヒトヲ qeixenni(ケイセンニ) アツカウ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「軽賤」の意味・読み・例文・類語
けい‐せん【軽×賤】
[名・形動]人を軽んじ、ばかにすること。身分などが軽くいやしいこと。また、そのさま。きょうせん。
「人ヲ―ニ扱ウ」〈日葡〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「軽賤」の読み・字形・画数・意味
【軽賤】けいせん
身分が軽く賤しい。〔韓非子、孤憤〕輕賤を以て貴重と爭ふ。其の數、たざるなり。字通「軽」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報