落葉集(読み)らくようしゅう

精選版 日本国語大辞典 「落葉集」の意味・読み・例文・類語

らくようしゅう ラクエフシフ【落葉集】

辞書。日本イエズス会編。慶長三年(一五九八)長崎刊。漢語漢字の読み方を知るための辞書で、本篇(音引き)、色葉字集(訓引き)、小玉篇(字形引き)の三部より成る。当時の日本に通行していた節用集、「和玉篇」に基づいているが、実用する際の便宜として音引き・訓引きで日本語を二分する発想は合理的かつ独創的といえる。漢字字母約二千二百。

おちばしゅう おちばシフ【落葉集】

(歌謡集「松の葉」にもれた歌の集の意) 江戸時代の歌謡集。七巻七冊。大木扇徳編。元祿一七年(一七〇四)刊。上方の歌謡を部類して収めている。題簽に「絵入松の落葉」とある。後に「松の落葉」と改題

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「落葉集」の意味・読み・例文・類語

おちばしゅう〔おちばシフ〕【落葉集】

《歌謡集「松の葉」にもれた歌の集の意》江戸中期の歌謡集。7巻。大木扇徳編。元禄17年(1704)刊。上方の歌謡を収録したもので、のち「松の落葉」に改編

らくようしゅう〔ラクエフシフ〕【落葉集】

キリシタン版の日本語の漢字字書。1598年刊。落葉集本編・色葉字集・小玉編の3部から成る。本編は約1万2000の漢語をイロハ順に配列した音引き、色葉字集は約3400の和語をイロハ順に配列した訓引き、小玉編は約2300の漢字を部首別に示した字書。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「落葉集」の意味・わかりやすい解説

落葉集 (おちばしゅう)

歌謡集。7巻7冊。1704年(元禄17)刊。大木扇徳編。井筒屋庄兵衛・万木(まんき)治兵衛板行。表題のごとく歌謡集《松の葉》(1703)の続編としてその遺漏補い,《松の葉》が職業的演奏家の芸術歌曲と流行歌(はやりうた)の収録であるのに対し,劇場歌謡その他踊歌を中心に編集されたもの。巻一から巻四までは主に歌舞伎舞踊歌,巻五に祇園町踊歌・伊勢音頭,巻六に古今節浄瑠璃,巻七に流行歌を収録。題簽(だいせん)に《絵入松の落葉》とあるように多数の挿絵を挿入し,舞踊,劇場構造その他の風俗資料を提供している点において,すこぶる貴重である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「落葉集」の意味・わかりやすい解説

落葉集【らくようしゅう】

1598年長崎で刊行されたキリシタン版漢字字書。字音によって字形と和訓を知る〈落葉集本編〉,和訓によって字形と字音を知る〈色葉字集〉,字形によって音訓を知る〈小玉篇〉の3部からなる。特に字音は室町末期の発音に基づいて,長音短音,清濁および半濁音を区別して用いている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「落葉集」の意味・わかりやすい解説

落葉集
おちばしゅう

松の落葉」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android