普及版 字通 「豈(漢字)」の読み・字形・画数・意味
豈
10画
[字訓] かちどき・あに
[説文解字]
[字形] 象形
軍鼓の形である豆の上に、羽飾りなどを飾る形。苗族の楽器である銅鼓を示す南の古い字形にも、上端両旁に羽飾りを加えた形のものがある。〔説文〕五上に「師をすときの振の樂なり」とあり、凱の初文とみてよい。
[訓義]
1. かちどき。
2. と通じ、たのしむ。
3. 覬と通じ、ねがう。
4. 幾・其と通じ、ねがう、あに。また発語。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕豈 ヤスシ・ネガフ・モトモ・アニ・イカン・ヤマノフモト
[部首]
〔説文〕五上に・の二字を属し、に「事を訖(をは)るの樂なり」とする。〔玉〕に豈を「安なり。焉なり」とし、またの或る体として凱を加えている。
[声系]
〔説文〕に豈声として剴・皚・覬・磑・・・・・鎧など十五字を収める。・は豈の声義を承け、磑は擬声語。・鎧は磑の形態をとる字であろう。覬は「幾(ねが)う」、(幾)と声が近い。
[語系]
豈khii、覬・kiiは声近く、通用の字。
[熟語]
豈楽▶・豈▶・豈弟▶・豈楽▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報