谷畑遺跡(読み)たにはたいせき

日本歴史地名大系 「谷畑遺跡」の解説

谷畑遺跡
たにはたいせき

[現在地名]倉吉市上神

上神かずわ集落の西端近く、丘陵に挟まれた谷の奥部に位置する祭祀遺跡。昭和五九年(一九八四)遺跡確認調査の際に多量の日常土器とともに祭祀遺物が出土して注目され、翌年の発掘調査によって実態が明らかにされた。祭祀遺物はほとんどが土製品で、谷の東側と西側の二ヵ所から集中して出土した。東側と西側では祭祀遺物の構成および時期に差が認められた。東側では人形・動物形の土製品と手捏ね土器からなり、六世紀後半の土師器が伴う。西側は土製模造鏡・土玉・石製勾玉・手捏ね土器・竈・土製支脚などからなり、七世紀前半の須恵器が伴う。これらの祭祀遺物はなんらかの「まつり」が終わった後、捨てられたものであるが、手捏ね土器数個が入れ子状態になっていたり、口縁部を上にしていることから、丁寧に置捨てたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android