谷地森村(読み)やちもりむら

日本歴史地名大系 「谷地森村」の解説

谷地森村
やちもりむら

[現在地名]宮崎町谷地森

川の左岸にあり、東は鳥嶋とりしま村、南は小野田おのだ本郷はら(現小野田町)、西は柳沢やなぎさわ村、北は下多田川しもただがわ(現中新田町)に接する。村名の由来は、延喜式内社の賀美石かみいし神社が八衢やちまたに鎮座するため、郡名を賀美、村名を谷地森と名付けたという(安永風土記)。天正一四年(一五八六)大崎氏の内部紛争に際し、新田刑部にくみした者のなかに「谷地森の城主主膳」がいた(政宗記)。年月日未詳の伊達領内領知日記(伊達家文書)に「大崎かんの郡 仁〆文一やちもりの内 塚原右近分」とある。

正保郷帳に田一三八貫三八八文・畑一五貫九三三文とあり、ほかに同所新田三貫一〇一文がある。「安永風土記」によれば、田一四五貫七六二文・畑一六貫八八六文で、蔵入は一九貫一五七文、給所は一四三貫四九一文、人頭五九人(うち沽却禿二)、家数五八(うち水呑一)、男一七三・女一三二、馬八三で、神社は郡鎮守の賀美石神社、村鎮守の牛頭天王社など一三社で、仏閣は馬頭観音堂など五、修験は永禄年間(一五五八―七〇)の開院で、加美石山田川寺とも称し、片平氏の家中で四〇〇文を知行した善寿院がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android