修験(読み)シュゲン

デジタル大辞泉 「修験」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐げん【修験】

山野霊山霊地苦行を積み、霊験のある法力を身につけること。
修験者」の略。
修験道」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「修験」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐げん【修験】

〘名〙 仏語。
① (呪法を修めて、効験をあらわす意) 山野を歩き回るなど、霊験のある法を修めること。また、その効験をあらわすこと。
※三代実録‐貞観一〇年(868)七月九日「少年入山未出。天皇聞修験〈略〉徴道珠
読本・春雨物語(1808)目ひとつの神「あやし、ここにくる人あり〈略〉あとにつきて、修験の柿染の衣肩にむすび上げて、金剛杖つき鳴らしたり」
江談抄(1111頃)三「語得修験之僧、令如意輪法
※源平盛衰記(14C前)三「三井の流れの修験(シュゲン)の人」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)出羽三山「円頓融通の法(のり)の灯(ともしび)かかげそひて、僧坊棟をならべ、修験行法を励し、灵火山霊地の験効、人貴(たふとび)且恐る」
[補注](①について) 霊地としての山岳における修行(峰入り)によって超自然的な力を得、それを駆使しようとするもので、それゆえ修行者たちは山伏と呼ばれた。その修行の場である山は密教における金剛界胎蔵界曼荼羅になぞらえられ、また成仏過程とされる十界に充当される独自の修行過程を経て、修行者は自己に本来存する仏性をその身に体得することになる。その修行には、擬似的な死と再生を意味する過程が組み込まれており、修行者は主に大日如来またはその使者である不動明王と一体化し、邪神・邪霊の降伏等にその験力を発揮しうるようになるものとされる。

す‐げん【修験】

〘名〙 (「す」は「しゅ」の直音表記) =しゅげん(修験)
海潮音(1905)〈上田敏訳〉象「雲突く修験(スゲン)山伏か、先達(せんだつ)の蹤(あと)踏んでゆく」

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