譚其驤(読み)たんきじょう

山川 世界史小辞典 改訂新版 「譚其驤」の解説

譚其驤(たんきじょう)
Tan Qixiang

1911~92

中国現代の地理学者。浙江(せっこう)省嘉興(かこう)の人。1934年,顧頡剛(こけつごう)らとともに中国初の歴史地理学会である禹貢(うこう)学会を設立した。中華人民共和国成立後は復旦大学中国歴史地理研究所所長として活躍し,中国現代歴史地理学を確立した。55年から編纂を始めた『中国歴史地図集』はその代表的成果である。

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百科事典マイペディア 「譚其驤」の意味・わかりやすい解説

譚其驤【たんきじょう】

中国の地理学者。浙江省嘉興の出身。中国の歴史地理学の第一人者。歴史地理学と辺境地理学の研究・教育に大きな足跡を残した。復旦大学歴史地理研究室主任。中国社会科学院が主宰し復旦大学,中央民族学院,国家測量製図局,南京大学などの機関が参加した《簡明中国歴史地図集》(1987年完成)の編集主幹を務めた。同書は中国歴史地図の決定版とされている。

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世界大百科事典(旧版)内の譚其驤の言及

【禹貢】より

…1934年3月1日創刊,半月に1冊発行され,日中戦争開始直後の37年7月の7巻10期まで続いた。燕京大学の顧頡剛(こけつごう),輔仁大学の譚其驤(たんきじよう)が中心となり,この雑誌に実証的な論文を寄せるとともに,禹貢学派という学派を形成し,中国の地理沿革史,歴史地図,地名辞典の作成を目ざし,大きな影響を与えた。谷霽光(こくせいこう),史念海,聶崇岐(じようすうき)ら多くの学者を生んだ。…

※「譚其驤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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