覆被(読み)おおいかぶせる

精選版 日本国語大辞典 「覆被」の意味・読み・例文・類語

おおい‐かぶ・せる おほひ‥【覆被】

〘他サ下一〙
① 中のものが見えないようにふさぎ包む。
野分(1907)〈夏目漱石〉四「excuse me と云って、大きな異人が、高柳君を蔽(オホ)ひかぶせる様にして、一段下へ通り抜けた」
責任負担、心理的重圧などを押しつける。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉I「アメリカ労使関係人種問題の上に立って、〈略〉問題を限界的労働供給源である黒人労働者の上におおいかぶせているのである」

おおい‐かぶさ・る おほひ‥【覆被】

〘自ラ五(四)〙
① 物を包むように上やまわりに広がる。
田舎教師(1909)〈田山花袋〉四「淡竹(またけ)の雨を帯びた藪がその上に蔽(オホ)ひ冠(カブ)さった」
② 責任、負担、重圧などがかかる。
都会憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉「目に見えない重いものの蓋(オホ)ひかぶさってゐる彼は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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