西沢笛畝(読み)にしざわてきほ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西沢笛畝」の意味・わかりやすい解説

西沢笛畝
にしざわてきほ
(1889―1965)

日本画家。大正から昭和にかけて人形玩具(がんぐ)の収集、研究家として知られる。本名昂一。旧姓石川。東京・浅草生まれ。1913年(大正2)、人形収集の大家で有名な実業家西沢仙湖女婿(じょせい)となる。荒木寛畝(かんぽ)の塾に入り花鳥画を学んだが、人形絵で優れ、玩具画集の大冊『うなゐの友』(清水晴風著)の続編を担当して完成させた。34年(昭和9)帝国美術院展覧会(後の日展)審査員。59年紫綬(しじゅ)褒章受章。埼玉県越生(おごせ)町に笛畝人形記念美術館がある。

[斎藤良輔]

『西沢笛畝著『日本の人形と玩具』(1975・岩崎美術社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西沢笛畝」の解説

西沢笛畝 にしざわ-てきほ

1889-1965 大正-昭和時代の日本画家。
明治22年1月1日生まれ。西沢仙湖の娘婿。荒木寛畝(かんぽ)・十畝(じっぽ)にまなび,人形絵を得意とした。文展,帝展などに出品し,また人形の収集と研究につとめた。昭和40年10月24日死去。76歳。東京出身。旧姓は石川。本名は昂一。作品に「巣くるみ捕へて」など。著作に「日本の人形と玩具」。

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世界大百科事典(旧版)内の西沢笛畝の言及

【郷土玩具】より

…彼は全国各地に散在するこの種の伝承玩具人形類を採集してそれらを描いた画集《うなゐの友》を1891年に発行し,1913年まで6編を刊行した。彼の死後は日本画家西沢笛畝が継いで24年10編まで担当,初編以来前後33年間を費やして完結した。これが始まりで東京,京阪,名古屋方面を中心に明治末期から大正期にかけて伝承玩具人形類の愛好趣味が全国的に広まった。…

※「西沢笛畝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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