被風・披風・被布(読み)ひふ

精選版 日本国語大辞典 「被風・披風・被布」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ふ【被風・披風・被布】

〘名〙
近世公家(くげ)が、略儀の外出に着用した簡易な盤領(まるえり)の道服の一種。〔装束集成(1754頃か)〕
着物の上にはおる防寒具。男女ともに用いる。衽(おくみ)が深く、丸襟(まるえり)で、左右を合わせて紐(ひも)でとめるようにしたもの。現在の被布の祖型。僧侶・医者・茶人などが好んで用いた。《季・冬》
江戸繁昌記(1832‐36)三「半衣、披布(ヒフ)、袖を連て掛下す」
③ (被布) 明治時代に②が変形したもので、婦人用。四角い胸開きになまこ襟をつけたもので、多く袖がない。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二二「献子(のりこ)は、紋緞子被風(ヒフ)綴紐を合せながら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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