行縢・行騰(読み)むかばき

精選版 日本国語大辞典 「行縢・行騰」の意味・読み・例文・類語

むか‐ばき【行縢・行騰】

〘名〙 (「向か穿(は)き」の意) 遠行外出旅行狩猟の際に両足の覆いとした布帛毛皮の類。地質構造は時代や使用者によって相違する。中世武士は騎馬遠行の際の必要品とし、鹿の皮を正式として両足全体をそれぞれに覆うほど長大となり、特に犬追物には長行縢を用いた。
万葉(8C後)一六・三八二五「食薦(すごも)敷き蔓菁(あをな)煮持ち来(こ)(うつはり)行騰(むかばき)懸けて休むこの君」
太平記(14C後)一二「其衣裳は豹虎皮を行騰(ムカバキ)に裁ち、金襴纐纈を直垂に縫へり」

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