葦屋郷(読み)あしやごう

日本歴史地名大系 「葦屋郷」の解説

葦屋郷
あしやごう

和名抄」所載の郷。同書高山寺本は「葦屋」、東急本は「葦原」につくる。両本とも訓を欠く。訓は同書高山寺本の駅名に「阿之乃夜」とあるが、「万葉集」などによった。「新撰姓氏録」摂津国諸蕃にみえる葦屋漢人は当郷を本貫とするものであろう。天平神護元年(七六五)五月九日の検仲麻呂田村家物使請経文(正倉院文書)に署名する内竪従八位上勲七等葦屋倉人嶋麿も当郷を本貫とするか。「新撰姓氏録」和泉国諸蕃にみえる葦屋村主も、もと当郷の地にいた氏族か。現芦屋市西山にしやま町には行基開創伝承をもつ芦屋廃寺があり、白鳳期までさかのぼる瓦を出土する。

葦屋郷
あしやごう

「和名抄」所載の郷で、訓を欠く。「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条に葦屋駅がある。磐瀬いわせ(現須賀川市)と安達駅(現本宮町)の中間で、現在の郡山市内に比定される。「大日本地名辞書」は「今郡山町、及び小荒田・大槻等の南郷にあたる」とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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