菩提道燈論(読み)ぼだいどうとうろん(英語表記)Bodhipathapradīpa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菩提道燈論」の意味・わかりやすい解説

菩提道燈論
ぼだいどうとうろん
Bodhipathapradīpa

インド、チベットの仏教書。1042年チベットに入ったインドの学僧アティーシャが入国直後に書いた。68の詩偈(しげ)とその自注よりなる。発菩提心(ほつぼだいしん)、持戒(じかい)、六波羅蜜(ろくはらみつ)などの菩薩(ぼさつ)の修行の次第を説き、その後、密教を略説するが、中観(ちゅうがん)思想に基づく般若(はんにゃ)波羅蜜の修習の解説に中心がある。この書は、チベット仏教カダム派の基本宗典となり、その後ツォンカパの『菩提道次第論(しだいろん)』のモデルとなるなど、後のチベット仏教に大きな影響を与えた。

[松本史朗]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android