菖蒲の輿(読み)アヤメノコシ

デジタル大辞泉 「菖蒲の輿」の意味・読み・例文・類語

あやめ‐の‐こし【菖蒲の×輿】

中古端午節会せちえのとき、ショウブを盛って宮中御殿軒先に飾った輿。近世では、ショウブで作った輿をさす。あやめの御殿。あやめの車。

そうぶ‐の‐こし〔サウブ‐〕【××蒲の×輿】

あやめのこし」に同じ。
「―朝餉あさがれひの壺にかきたてて」〈讃岐典侍日記・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「菖蒲の輿」の意味・読み・例文・類語

あやめ【菖蒲】 の 輿(こし)

端午の節会(せちえ)の時、宮中で飾ったもので、ショウブをおもな材料として小殿形または輿形に作った。あやめの御殿。あやめの車。そうぶのこし。《季・夏》
※正治後度百首(1200)春「色かへぬためしをけふはひきそへてあやめのこしのすゑもはるかに〈宮内卿〉」

しょうぶ【菖蒲】 の 輿(こし)

日本紀略‐天徳四年(960)五月三日「六衛府献菖蒲輿
中務内侍(1292頃か)正応元年五月五日「しゃうふの御こしかき立てて、ことにおもしろし」

そうぶ【菖蒲】 の 輿(こし)

※枕(10C終)二三九「五日のさうぶのこしなどもてまゐり、薬玉まゐらせなどす」

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