茄子川村(読み)なすびがわむら

日本歴史地名大系 「茄子川村」の解説

茄子川村
なすびがわむら

[現在地名]中津川市茄子川

北を木曾川が流れ、乙坂おとざか段丘などに囲まれた茄子川浸食低地に立地し、東は千旦林せんだんばやし村、南は東野ひがしの(現恵那市)、西は大井おおい(現同上)。「蔭涼軒日録」長享二年(一四八八)七月一六日条には「濃州大井郷茄子谷村」とあり、元亀三年(一五七二)一一月九日の武田信玄充行状(山村文書)には茄子河とある。中世遺構として明光坊みようこうぼう諏訪すわ三坂みさかの窯跡、字こい平の東禅ひらのとうぜん寺、字坂本の長蓮さかもとのちようれん寺がある。慶長五年(一六〇〇)山村甚兵衛・千村平右衛門ら木曾衆に宛行われ、慶長郷帳になすび川村高一千三六八石余とある。元和元年(一六一五)幕府は尾張藩に木曾・美濃を加増し、山村甚兵衛ら木曾衆は尾張藩に付庸したことから、当村は尾張藩蔵入地六三六石余、山村甚兵衛三五〇石余・千村平右衛門一二五石、旗本馬場二七五石に分知される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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