芝翫縞(読み)しかんじま

精選版 日本国語大辞典 「芝翫縞」の意味・読み・例文・類語

しかん‐じま シクヮン‥【芝翫縞】

〘名〙 江戸時代に流行した着物の柄の一つ。四本の縦縞と鐶をつないだ形を合わせた柄。文化一一年(一八一四)六月、江戸中村座歌舞伎狂言双蝶蝶曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」で放駒長吉(はなれごまのちょうきち)役の大坂の人気役者三世中村歌右衛門(俳名芝翫)がその衣装に用いてから流行。芝翫繋(しかんつなぎ)。芝翫模様。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「芝翫縞」の意味・わかりやすい解説

芝翫縞
しかんじま

四筋と鐶(かん)つなぎとを交互に配した縦縞模様。四鐶縞というべきところ、3代目中村歌右衛門(うたえもん)の俳号「芝翫」にちなんでこの名がついた。彼は1814年(文化11)6月、江戸・中村座の『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』で3代目坂東三津五郎と共演、その「三つ大縞」に対抗して、この芝翫縞を着て登場し、喝采(かっさい)を博したという。

村元雄]


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