じ‐ちょう【自重】
〘名〙
① 自分の品位を保ち、むやみに卑下したりしないこと。
自尊。
※随筆・孔雀楼筆記(1768)二「
帛を以てわが詩文を書するは、奢侈を好めるにあらず、才芸を自重するにあらず」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「
或は良心を傷けて自重の気を
拉(とりひし)いで、課長の鼻息を窺ひ得るかも知れぬが」 〔欧陽脩‐答陝西安撫使范龍図書〕
② 自分の行動をつつしむこと。気をつけて軽はずみをしないこと。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六「何卒
(どうか)自重して戴きたい」 〔
史記‐
酷吏伝・郅都〕
③ 自分のからだをたいせつにすること。自愛。
※某宛本居宣長書簡‐宝暦某年(1757頃か)某月某日「炎吏特酷。万々自重」
じ‐じゅう ‥ヂュウ【自重】
※人狩り(1962)〈大藪春彦〉鬼火「
ジープは、林のところまで自重でバックしていき」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「自重」の意味・読み・例文・類語
じ‐ちょう【自重】
[名](スル)
1 自らを重んじること。自分の品性を保ち、卑下しないこと。自尊。
「自尊―苟も卑劣な事はできない」〈福沢・福翁自伝〉
2 言動を慎んで、軽はずみなことをしないこと。「好漢自重せられたし」「隠忍自重」
3 自分の健康に注意し、大切にすること。自愛。「なにとぞご自重ください」
[類語]自粛・自戒・控える・自制・自律・禁欲・差し控える・憚る
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「自重」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報