臨海寺(読み)りんかいじ

日本歴史地名大系 「臨海寺」の解説

臨海寺
りんかいじ

近世には通堂とんどうから西方三重みえ城に至る海中道路(臨海堤)の途中にあり(現在の那覇港第一桟橋付近)、沖之寺(方音ではウーチヌティラ)と称されたが、一九〇八年(明治四一年)築港工事のため現那覇市垣花かきのはな町に移転した。沖縄戦で焼失し、現在はあけぼの一丁目にある。沖山朝楽院と号し、東寺真言宗。現在の本尊薬師如来おき宮の神宮寺で、護国寺末であった。「琉球国由来記」、「球陽」尚貞王一三年(一六八一)条に、本地は阿弥陀・薬師・十一面観音とある。俗説では薬師・日光・月光の三体を安置したともいう。尚貞王の冊封正使汪楫の「使琉球雑録」には順治一二年(一六五五)に創建されたとあるが、それより古い「琉球神道記」に「おきノ権現臨海寺」とあり、「喜安日記」にも寺名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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