胚(漢字)

普及版 字通 「胚(漢字)」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)
8画

[字音] ハイ
[字訓] はらむ・はじめ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は丕(ひ)。正字はに作り、不(ふ)声。〔説文〕四下に「孕(はら)むこと一なり」とあり、はじめて胚胎(はいたい)することをいう。丕(ひ)は花がおちて、実をつけはじめる象で、そのやや肥大したものを否という。不・丕・否は一系の字である。〔詩、周南、(ふい)〕は草摘みの歌であるが、草摘みは予祝の意を以て行われることが多く、には胚胎の音が含まれていて、子求めの俗として行われる草摘みである。

[訓義]
1. はらむ、はらごもり。
2. はじめ、きざす、ことのはじめ。

[古辞書の訓]
名義抄〕胚 ハラム・ツハリ

[語系]
(胚)phumuと声義が近い。(ばい)は〔説文〕四下に「孕(はら)みて始めて兆あるなり」(段注本)とあり、一上には「祭るなり」とあって、子求めの祭祀をいう。〔礼記、月令〕に「(仲春の月)大牢を以て高(かうばい)を祠る」とみえるものである。

[熟語]
胚芽胚渾胚珠胚種・胚胎胚盤胚孕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報