聖方(読み)ヒジリカタ

デジタル大辞泉 「聖方」の意味・読み・例文・類語

ひじり‐かた【聖方】

高野三方こうやさんかたの一。平安中期以降、高野山に隠遁して念仏修行した僧。のちには、同山を根拠地として勧進などのため諸国を遍歴した念仏者高野聖

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精選版 日本国語大辞典 「聖方」の意味・読み・例文・類語

ひじり‐かた【聖方】

〘名〙
高野三方一つ。高野山の学侶(がくりょ)方・行人(ぎょうにん)方に対して、同山に隠遁して念仏修行する人。のち、同山の大衆で、諸国を遍歴し、説法行商などをした者の称。高野聖。
高野山文書‐天正五年(1577)潤七月一二日・高野山惣分沙汰所、老衆評諚書「諸口関之替地、垣郡にて合廿五石、同聖方より合拾石、可出者也」
② =ひじり(聖)⑩〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

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世界大百科事典(旧版)内の聖方の言及

【聖】より

…高野聖は中世にあっては聖の代表のようにみられた。平安時代中期以後,高野山には隠遁して往生を期すものが増え,のち学侶行人と対抗するにいたり,聖方(ひじりかた)といわれて高野山三方(さんかた)の一つとなった。高野聖は諸国を回り高野山信仰を広めたが,しだいに世俗的活動を行い,江戸時代には呉服を背負って行商に従事した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」