美濃国郷帳(読み)みののくにごうちよう

日本歴史地名大系 「美濃国郷帳」の解説

美濃国郷帳(正保郷帳)
みののくにごうちよう

二冊

写本 小川家

解説 正保二年幕府に提出した郷帳に類し、地元に残る写本の一。奥書に延享三年の年紀と野原正張の名があり、池田郡沓井村在住の備中岡田藩伊東氏の下代官野原藤左衛門が写したものであることが知られる。内容は郡ごとに各村の領主、村高、田畑別の高のほか、紙桑木高・山年貢野年貢・川年貢、寺社領なども記載。村高には太閤検・石見検の注記があり、また村名の下には草山松山芝山・水損所・日損所・井懸りなどの注記もみられる。末尾に郡高を列記。総高六二万七千九六石余、うち御蔵入一二万九千六七一石余・給所四七万八千三八三石余・給所新開出高一万八千二二五石余・寺社領一千六八六石余。ほかに小物成として米九四六石余・金二五両余・銀三貫余・綿一四貫余・漆四〇〇匁・檜楚木六千五五二本・入木九千二一一束を記す。なお同じく正保郷帳に類する写本として林周教氏蔵一冊があり、小川本とは多少の異同がある。「岐阜県史」史料編近世一所収分は小川本を底本とし、林本によって校訂してある。

美濃国郷帳(岩瀬文庫本正保郷帳)
みののくにごうちよう

一冊

原本 愛知県西尾市岩瀬文庫

解説 正保二年幕府の要請により提出された郷帳の控とみられる。奥書に、正保二年一一月一六日付で岡田将監(幕府代官岡田善政)・松平丹波守(加納藩主戸田光重)・戸田左門(大垣藩主戸田氏鉄)の名がみえる。内容は村高および村名を郡別に列記したもので、ほかに小物成高・寺社領の高なども記載。郡の記載順はおおむね東から西で、最後にもと尾張国であった羽栗郡中島郡海西郡を記す。各郡の末尾に村数・郡高のほか給人私新田高を記す。村数一千二四九、高都合六二万七千六七一石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android